射水市T様邸
Parking garden & house 0
「雨の日でも雪の日でも外で遊びたい!!」
幼少期の私は当時、本気で思ってました。
私の家の前には鉄骨のカーポートがあります。
決して奥行きがあるわけではないのですが、小さい頃の私にとってはどんな天候の日でも遊べる恰好の場所でした。
何をしてたかと聞かれるとボール遊びやけん玉などわざわざ屋外でする必要があるかわからないようなことまでしていました。
なぜか。

天気の良しあしに関わらず使えるとても気持ちの良い場所だったからです。
T君の住宅のアイデアは、そんなごくごく当たり前の日常にありました。
T君との出会い
T君との出会いは小学校3年生の時。
ひょんなことから仲良くなり、3~6年生の頃まで本当にほぼ毎日のように遊びました。
その後お互い付かず離れずの距離感で結局高校までずっと一緒の学校。
お互い24歳になったころ、T君から連絡が入りました。
「俺、結婚することになったよ。」
嬉しかった!
その報告をもとに自分なりにお祝いができるとすれば何だろうと考えた結果、、
T君夫妻にとって最高の家を設計することが、僕に最大限できるお祝いじゃないだろうかと考えました。
2年後
正式に依頼を受けました。
T君からの要望は主に3つ
「車の台数多くない?」
と思うかもしれませんが、車社会の富山では特段珍しくもないのです。
総予算から逆算するとやはり必要なものだけを如何に最小限につくるかを考える必要があると判断しました。
ここで重要なのはやはり駐車スペース。
富山の街並みを見て思うのは、道路に向かってずらっと並ぶ車、車、車、車…!
家と街の中間スペースの場所が駐車場で良いのだろうか、
私にとっては小さいころ遊べる快適な場所だったのに、、
これがきっかけでした。
そこで
「駐車場ではなく、車も停められる庭になればよいのでは?」
そうすれば街に対しても庭が広がるし、住まい手にとっても活動の場になる。
まさに一石二鳥じゃありませんか。
一つの仮説が立ちました。
屋根付きの庭の中に車が停まり、室内のLDKとつながれば
街にとっても住まい手にとっても良いのではと。

早速検討を重ねてT君へプレゼンテーション。
3LDKの住宅に車4台分、およびウッドデッキを包み込む大屋根が取りついた設計案を提案しました。
もともと自動車整備士をしていたこともあって広い屋外を欲していたようで、すぐに気に入ってもらえました。
長いコスト調整の期間を終え、着工。
竣工
約4か月の工事の末、2016年8月ようやく竣工しました。
そのころT君夫妻には家族が1人増えました。
これから家族の思い出はこの家と共にあります。
そんな場が作れたことを心より嬉しく思います。
さいごに
T君の家族が今後どのように成長するかは誰にもわかりませんが、
どのような方向に進んだとしても
大らかに受け止めてくれるようなそんな家であってほしいと思うのです。